新緑に包まれるように薄紫色の花房がぶら下がる「万葉の藤」=10日、三条市井栗

新緑に包まれるように薄紫色の花房がぶら下がる「万葉の藤」=10日、三条市井栗

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令和の世も威風堂々 「万葉の藤」、新緑が包む 三条

新潟日報(2019年5月13日)

 新潟県三条市井栗地区にある「万葉の藤」が花を咲かせている。「令和」の出典となった万葉集の歌に詠まれたと伝えられ、市の天然記念物に指定される古木だ。樹勢の衰えで花房より新緑が目立つが、名峰・粟ケ岳を臨む田園の中でこんもりと枝葉を茂らせ、独特の存在感を放っている。

 「万葉の藤」は、隣り合ったエノキの古木に枝を絡ませながら曲がりくねって伸びている。堂々とした姿だが、市によると、6、7年前から花付きの落ち込みが目立ってきた。5月に入って開花した今年も花房の数は多くなく、10日時点で新緑の所々に薄紫色が見える状態だ。

 「令和」改元で万葉集に注目が集まる中、「(ゆかりのある藤として)大々的に発信したいが、この花付きでは...」と市の担当者。それでも「藤棚ではなく、木に枝が絡まった自然のままともいえる姿を楽しんでもらえれば」とPRした。

 由来となった歌は「妹が家に伊久里の森の藤の花今来む春も常かくし見む」(万葉集巻17)。近隣の神社には18世紀半ばに建立された歌碑がある。現在の「万葉の藤」は万葉時代のものではなく、樹齢ははっきりしない。歌の舞台は奈良県や富山県との説もある。

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