本年度から新たなスタートを切った宇奈月国際会館セレネ

本年度から新たなスタートを切った宇奈月国際会館セレネ

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観光地の強み生かそう 宇奈月国際会館セレネ 指定管理者交代で再出発

北日本新聞(2019年5月31日)

 黒部市宇奈月国際会館セレネは、本年度から黒部・宇奈月温泉観光局が指定管理者となり、新たなスタートを切った。宇奈月ならではの自主事業を充実させるだけでなく、「観光地にある文化施設」という強みを生かし、セレネを組み込んだ旅行・観光商品の開発など観光客を意識した事業を展開していく。6月1日には新たなシンボルマークを発表する。

 セレネは、トロッコ電車や温泉を目当てに多くの観光客が訪れる黒部峡谷の玄関口にあるが、利用者数は低迷していた。有料の入館者数は、ピークの1997年度は約9万人だったが、2016年度には約3万3千人に。市は、県からの運営補助金が17年度で終了する危機感から、同年度に再生検討委員会を設けた。

 検討委は、観光地にある強みと施設の機能を最大限に生かし▽観光振興▽芸術文化の発信▽地域の活性化-に地域一丸で取り組むとする基本方針をまとめた。市は18年度から自主事業補助に充てる予算を大幅に増額。市国際文化センターだった指定管理者は、本年度から観光局とし、再出発を図ることになった。

 「観光客を意識した事業運営をしていけば、これまで以上の成果が出せるのではないか」。5月上旬、本年度1回目のセレネ運営委員会で、観光局の川端康夫代表理事(66)は話した。芸術鑑賞と宇奈月温泉の宿泊をセットにした旅行商品や、黒部峡谷鉄道との連携企画など相乗効果のある取り組みを検討していく。

 観光客を呼び込むには、魅力的な自主事業が重要になる。本年度は、東京芸大学長でバイオリニストの澤和樹さん率いる「澤クヮルテット」のコンサートや、日本画家の田渕俊夫さんの作品展といった大型事業を実施する。国際演劇祭「シアター・オリンピックス」の舞台にもなり、トイレの洋式化やテラスの補修など、施設の整備も進む。

 運営委員は、地域の代表者や文化人ら10人。運営委員長の河田稔宇奈月温泉自治振興会長(75)は「大型事業と共に、地域と一体となった催しも行い、いつも何かやっている『わくわく感』がある施設になるといい」と話した。


 ◆ズーム◆「宇奈月国際会館セレネ」
 1993年に開館した文化施設。当初は県と旧宇奈月町などが出資した第三セクターが運営し、2008年に黒部市が取得した。美術館やホール、会議室、カフェを併設する。美術館は、「変わりゆく黒部峡谷の大自然を絵画芸術を通して未来へ伝える」との理念に賛同した故平山郁夫さんら、日本画壇を代表する7人が描いた作品を多数所蔵する。

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