月光荘を創業した橋本さんが扱ってきたオリジナルの画材が並ぶ展示

月光荘を創業した橋本さんが扱ってきたオリジナルの画材が並ぶ展示

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銀座で画材店、橋本兵蔵さん(上市出身)の生涯たどる

北日本新聞(2019年6月8日)

 東京・銀座の画材店「月光荘」の創業者で上市町出身の故橋本兵蔵さん(1894~1990年)の足跡をたどる企画展「月光荘おじさん展」が7日、同町郷柿沢の西田美術館で始まった。創業時から扱ってきたオリジナルの画材や、歌人の与謝野晶子が橋本さんに宛てた直筆の手紙、親交のあった猪熊弦一郎らの洋画を並べ、芸術家を陰で支え続けた人生を紹介している。7月21日まで。

 橋本さんは18歳で上京し、向かいに住んでいた歌人の与謝野鉄幹・晶子夫妻と出会う。与謝野宅に集う芸術家たちからの助言で画材店を開く。自らを「月光荘おじさん」と呼び、疎開先の宇奈月で純国産絵の具第1号「コバルトブルー」の製造に成功した。

 企画展では、晶子が開業のはなむけとして詠んだ歌のパネルや、橋本さんを励ます晶子直筆の手紙を紹介。コバルトブルーの製造成功を祝って猪熊ら親交のある画家から贈られた寄せ書きが並ぶ。物資不足の戦時中も原料を変えず作り続けた絵の具や、画箱とセットになったイーゼルなど制作しやすいように工夫した画材もある。

 銀座に移る前の最初の店舗の設計を監修した洋画家・藤田嗣治の「ダゲール通り」や、陶芸家・河井寛次郎のつぼなどゆかりの13人が手掛けた24点を展示。疎開時に月光荘から宇奈月に移され、現在は宇奈月国際会館セレネにあるピアノも並べた。

 月曜と7月16日休館(同15日は開館)。北日本放送、北日本新聞社共催。

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