第57回北國いけばな研究会花展2019(北國いけばな研究会、北國新聞社主催)は4日、金沢21世紀美術館市民ギャラリーAで開幕した。会員ら総勢36人が流派を超え、テーマの「連」を表現した大作9点が放射状に展示され、来場者は響き合うアイデアを堪能した。
会員9人とアシスタントが縦7メートル、横1・8メートル、高さ1メートル以内という条件で生けた9点が並んだ。来場者は会場中央から全体を見渡し、個々の作品を上や下からのぞき込むなど、さまざまな角度から工夫に目を凝らした。
「連」から人と人を結ぶ赤い糸を連想し、赤い麻糸を高さを変えながら雪づりのように広げたり、さまざまな形の角材を赤と青に着色して連ね、流れを生み出したり。キリの木の細い線や影をつなげた構成も来場者の目を引いた。
多様に形成したステンレスを市松模様の床面に配置し、無機質な金属と柔らかなカスミソウを取り合わせた秀作や、銀河の合体を報じた新聞記事に着想を得て、300本のホウキソウやハランでエネルギーを表した意欲作も華道家の豊かな感性を伝えている。
7日まで。入場料は500円となる。