輪島市名舟町の漁師槌谷(つちや)敬二さん(77)は5日、沖合約1キロの岩場で、重さ2キロと800グラムのイセエビを捕獲した。のとじま臨海公園水族館(七尾市)によると、イセエビは本来、日本海に生息しておらず、輪島の漁業関係者の間に驚きが広がった。石川県漁協輪島支所は当面、2尾を水槽で生かし、取り扱いを決める。
槌谷さんは同日午前7時ごろ、名舟漁港の北約1キロの岩場に設置したサザエ網を引き揚げた。網には体長37センチ(重さ2キロ)と体長25センチ(同800グラム)の2尾が掛かっていた。雌雄は不明という。輪島支所に30年以上勤める職員は「イセエビは見たことがない」と目を丸くした。
同水族館によると、イセエビの日本海での捕獲例は少なく、島根沖以北では特に珍しい。担当者は「幼生の時に海流に流されて北上し、輪島沖で生育したのではないか」と推測した。
槌谷さんは「とても大きくてびっくりした。初めてのことで、縁起のいい感じがする」と喜んだ。