石段の上から豪快に放り投げられる「あばれみこし」=20日午後9時45分、宮田村の津島神社

石段の上から豪快に放り投げられる「あばれみこし」=20日午後9時45分、宮田村の津島神社

長野県 伊那路 祭り・催し

宮田村で伝統「あばれみこし」 御利益もシェア

信濃毎日新聞(2019年7月21日)

 上伊那郡宮田村の津島神社祇園祭宵祭で20日夜、みこしを参道の上から投げて壊す伝統行事「あばれみこし」があった。氏子が重さ約200キロのヒノキ製みこしを宙に放ち、みこしが階段から転がり落ちると、見物客からどよめきと歓声が一斉に沸き上がった。

 みこしは町一、二、三区の大工が当番制で造り、今年は三区が担った。地区で受け継がれる「型」に基づき、担ぎ棒の長さは約4メートル、中心に据える真柱(しんばしら)は約1・8メートルある。

 ご神体をみこしに移し、全区を練り歩いた大勢の氏子は午後9時40分、境内に到着。11段ある参道を駆け上がり、「せーの」の掛け声に合わせ、真柱1本になるまで何度も放り投げた。破片を家の屋根に1年置くと無病息災、商売繁盛などの御利益があるとされる。観衆は「ください」と腕を伸ばして奪い合った。

 同村に住むフィリピン人の女性会社員アベホ・ジョアンさん(24)はスマートフォンに写真を何枚も収めた。「迫力があって楽しい祭り。(母国の)友人と写真をシェアします」と笑顔で話していた。

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