観音町(かんのんまち)3丁目の真言宗観音院で9日、参拝すると4万6千日分の功徳(くどく)を授かるとされる「四万六千日(しまんろくせんにち)」が営まれた。同院は5月に復活した町名「観音町」の由来とされ、元の町名に戻ってから初の開催となった。大勢の参拝者が御利益にあやかろうと縁起物のトウキビ(トウモロコシ)を買い求め、藩政期以来の信仰風景が繰り広げられた。
参拝者は汗をにじませてトウキビを求める列をつくり、用意された約3300本が売り切れた。トウキビは家や店の軒先につるすと魔よけや商売繁盛などの御利益があるとされる。参拝者は1年間つるして茶色くなった古いトウキビを納め、青々とした新しいトウキビを手にした。
「四万六千日」の赤い印が押された限定御朱印も人気を集めた。初めて観音様とトウキビの愛らしい絵が描かれた御朱印120枚が用意され、午前10時に全てなくなる人気だった。
初めて訪れたという白山市の主婦(64)は「旧町名が復活した記念の年に来られてよかった。娘2人が出産を控えているので、少しでも観音様の力をいただきたい」と話した。
法要が営まれたほか、護摩木が焚(た)きあげられ、参拝者が諸願成就を祈った。観音院では毎年、旧暦の7月9日を四万六千日としている。