魚津水族館のドチザメ。展示中の子ども(手前)も単為生殖の可能性がある=魚津市三ケ

魚津水族館のドチザメ。展示中の子ども(手前)も単為生殖の可能性がある=魚津市三ケ

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ドチザメ、雌だけの水槽から次々赤ちゃんの 魚津水族館

北日本新聞(2019年9月25日)

■単為生殖、DNA鑑定で「可能性高い」 東海大

 2016年に魚津水族館(魚津市三ケ)で誕生したドチザメの赤ちゃん2匹が、雌が単独で子をつくる「単為生殖」で生まれた可能性が高いことが、同館や東海大の野原健司准教授(42)らのDNA鑑定で分かった。約10年間、水槽には雌しかいないのに、16年以降に次々に赤ちゃんが生まれ、謎を呼んでいた。

 野原准教授によると、他のサメ類では報告例があるが、ドチザメで確認されたのは初めて。2匹は17年4月までに死んだ。

 単為生殖は無脊椎動物に多く、魚類など脊椎動物では非常に珍しい。他の水族館で飼育するサメ類で数例確認されている。

 ドチザメは富山湾など日本近海に生息する。魚津水族館では、雌3匹のみ飼育している水槽で16年に4匹(うち2匹は死産)が生まれ、17年にも3匹が誕生したものの、全て死産だった。

 この計7匹が生まれたことについて、交尾したときに雄の精子を体内に保存する「貯精」による生殖も考えられたが、約10年も水槽に雄がいなかったため、同館は単為生殖の可能性を考えた。

 野原准教授は、母候補3匹と子7匹のゲノム(DNAの遺伝情報)の85カ所を調べた。その結果、雄に由来する遺伝が見つからなかったため、単為生殖の可能性が高いと結論付けた。「雄と接触できなくなったときに子孫を残すための仕組みではないか」と語る。

 現在、同館では18年5月に生まれた子どもの雌1匹(全長約50センチ)と大人の雌4匹を展示している。この18年生まれの子も雌だけの水槽で生まれ、単為生殖の可能性がある。

 野原准教授は「単為生殖で生まれた可能性があり、生きて泳いでいるドチザメを見られるのはとても貴重な機会」としている。

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