愛らしいムーミンの世界を楽しむ来館者=金沢21世紀美術館

愛らしいムーミンの世界を楽しむ来館者=金沢21世紀美術館

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ムーミンの世界に浸る 金沢21美 挿絵や手紙500点

北國新聞(2019年9月29日)

 日本フィンランド外交関係樹立100周年記念「ムーミン展THEARTANDTHESTORY」(北國新聞社など主催)は28日、金沢21世紀美術館市民ギャラリーBで開幕した。小説や絵本、アニメで知られる人気キャラクター「ムーミン」が誕生した背景や、作者と日本の関わりが丁寧に紹介され、キャラクターが織り成す愛らしい世界観に幅広い年齢層のファンが浸った。
 会場は7章で構成され、最初にムーミンが登場した小説から始まり、派生してきた絵本、舞台などが各テーマとなった。ムーミンとその家族、目深に帽子をかぶった「スナフキン」など、個性的なキャラクターが描かれた挿絵や小説の表紙、スケッチ画約500点が並んだ。
 フィンランド出身の原作者トーベ・ヤンソンが訪日した際の様子を収めた写真パネルや、翻訳者に贈った手紙、色紙も公開された。トーベの作品とそれに似た浮世絵が並んで飾られたコーナーでは、来場者が日本とフィンランドの文化的なつながりに思いをはせた。
 谷掛栄美さん(40)=金沢市=は「娘が小さい頃DVDをよく見せていた。当時のことが思い出されて懐かしい」とほほ笑んだ。祖母と2人で訪れた新井莉子さん(11)=東京都稲城市=は「色が鮮やかできれいだった。浮世絵と原画を見比べるのが楽しかった」と話した。
 グッズ販売も盛況で、レジ前には長蛇の列ができた。北陸大で日本語を学ぶ穆雨征さん(20)=中国出身=はムーミンのファイルやタオルを手に「中国にいる友人が大ファンなので送ってあげようと思う」と笑顔を見せた。
 ムーミン展は今年4月に始まった国内巡回展で、金沢は3会場目となる。10月24日まで。観覧料は一般1300円、中学・高校生は900円、小学生以下は無料となる。

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