小浜藩佐柿町奉行所があった場所に建てられている若狭国吉城歴史資料館(福井県美浜町佐柿)にこのほど、奉行所で使われていた門が寄贈された。門は資料館の入り口に設置された。
奉行所の建物の一部は明治維新後、美浜町で庄屋を務めた田辺四郎兵衛(しろうべえ)家と田辺半太夫(はんだい)家に払い下げられたとされている。2009年の資料館建設にあたり、田辺半太夫家の主屋と座敷部分を資料館に移設。一尺角の大黒柱や豪壮な梁(はり)などが残っており、資料館は国登録有形文化財となっている。
今回移設された門は、田辺四郎兵衛家の土蔵で使われていたが、蔵が老朽化により解体されることから資料館に移すことになった。門は高さ約2メートル、幅約2・4メートル。ケヤキ材で、両開きの板扉には飾りの金具が付いている。
資料館の大野康弘館長は「門を間近で見て、奉行所があった時代のことを想像してもらいたい」と話している。