福井県勝山市の冬の風物詩「勝山年の市」が1月26日、市中心部の本町通りで開かれる。市内外の50店が軒を連ね、木工品や伝統食など自慢の逸品を対面販売。オークション形式で商品を購入できる「まちセリ」もあり、作り手と買い物客のかけ合いで商店街は活気にあふれる。
年の市の始まりは18世紀中頃とされる。12月26日と1月26日に農家や山仕事の人らが本町通りに出店し、手作りの生活用品など副業製品を売った。充実の品ぞろえで「ないものは馬の角だけ」と言われたほどだ。現在は1月の最終日曜に開催されている。
今年は市内38店、勝山市を除く県内7店、県外5店が出店。種別は飲食5店、食品・物販32店、木工芸品13店となる。まな板、めん棒、こね鉢といった昔ながらの木工品のほか、伝統食として人気がある北谷町の鯖(さば)の熟(な)れ鮨(ず)し、平泉寺町のかき餅、ポン菓子、野向町のエゴマがそろう。おやきなどの甘味もある。
まちセリは、風車で知られる久保指物店三代目が午前9時、勝山商工会議所青年部は午前11時から実施。オークション形式で商品争奪戦を繰り広げる。「むらの達人」コーナーでは、おなじみのござ帽子や竹細工、鮭(さけ)のこうじずしなどが並ぶ。250人に景品が当たる抽選会も行われる。
勝山年の市振興会の玉木弘夫会長(67)は「普段売っていないものや年の市ならではの商品もある。作った人の顔が見える良さを感じてもらえれば」と話している。
午前8時半~午後2時。駐車場は九頭竜川の弁天河原などに設けられ、えちぜん鉄道勝山駅と会場を結ぶ無料シャトルバスも運行される。問い合わせは勝山年の市振興会=電話090(8269)8529、勝山商工会議所=電話0779(88)0463。