ウルシの種ろうを取り除く作業に取り組む参加者=輪島市釜屋谷町

ウルシの種ろうを取り除く作業に取り組む参加者=輪島市釜屋谷町

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輪島の漆、種から育て 漆器組合、再生プロジェクト

北國新聞(2020年3月28日)

 輪島産漆の再生に向け、輪島漆器商工業協同組合は27日、輪島市釜屋谷町にある組合の工場で、ウルシの種に付いたろうを取り除く「脱ろう」に取り組んだ。脱ろうは種まき前に必要な地道な手作業で、漆器関係者が集まって取り組むのは8年ぶり。まいた種は畑やプランターで1年以上かけて苗木に育てた後、希望する市民に配って大きく育ててもらう。
 関係者によると、ウルシの種は脱ろうをしないでそのまままいても発芽しにくい。脱ろう会は、輪島産漆を使って漆器づくりを進める「輪島漆再生プロジェクト実行委員会」と輪島市が協力して企画した。
 漆●(か)き職人の長平勇さん(61)=二俣町=が昨秋、町野町寺山地区で樹液が多いウルシの木から採った種5キロを使った。参加者は、沈金師の山田吉次さん(62)=三井町内屋ヲボソデ=の指導を受け、精米器を使って種の皮を取り除いた。
 この後、種をふるいに掛け、60~70度のお湯と木灰を入れたバケツの中でかき回し、ろうを溶かして落とす作業に精を出した。作業には県立輪島漆芸技術研修所の学生らも参加した。脱ろうした種は冷水に数日漬けた後にまく予定としている。
 組合は輪島産漆の再生に向け、種から一連の作業に継続的に取り組み、苗木の育成を図る考えで、隅堅正事務局長は「ウルシの木を大切に育てていきたい」と話した。

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