上伊那郡飯島町に拠点がある花火製造会社2社が5日夜、新型コロナウイルス感染拡大を受け、外出を自粛している人たちを励まそうと花火を打ち上げた。人が集まるのを避け、町内の多くの場所から見られるよう5カ所で一斉に点火。町民はそれぞれの場所で、音を響かせながら夜空を照らす光を見上げた。
町内に営業拠点の連絡所があるアルプス煙火工業(本社・飯田市)と、伊那火工堀内煙火店(飯島町)が協力して企画。感染症拡大の影響で各地の夏祭りの中止が次々に決まり、例年忙しいこの時期に休業に近い状況という。アルプス煙火工業専務堀内守さん(41)は「暗い話ばかり。見た人が少しでも元気になってくれたらうれしい」と話した。
午後8時、神社や寺の近く、町営運動場などから2分間打ち上げ、約50発が夜空を彩った。自宅近くで見物した自営業の竹沢広美さんは「こどもの日の花火で、見た子どもたちは明るい気分になっただろう」。