金沢市大浦公民館は、大浦校下の文化などをまとめた地図の完成を機に、地域の伝承や歴史を伝える活動を本格的にスタートさせた。活動の第1弾として、校下と同公民館イメージキャラクター「ひし坊」を紹介する紙芝居を製作した。ひし坊の着ぐるみも完成。新型コロナウイルスの感染収束後、かつて「水郷の町」と親しまれた地域の紹介役として活躍してもらう。
大浦公民館は、ふるさとの記憶を残そうと2018年春から金大の学生と協力して幅広い年代の地元住民から思い出や言い伝えなどを聞き取った。今年1月に集めた話や地域の名所をまとめた「おもいでマップ」が完成し、地図に載せた話題をより深く知ってもらうため「かなざわ紙芝居倶楽部(くらぶ)」に協力を依頼した。
「いいね、ひし坊 いいね、大浦」と題した紙芝居は14枚で、地域が1955(昭和30)年ごろに土地改良事業が始まるまで池や沼が広がり、水生植物のヒシが群生していたことや、ヒシの葉をイメージした「ひし坊」が88年に誕生したことなどを紹介する。現在はさらに、地域の伝承を伝える第2弾の紙芝居製作を進めている。
紙芝居に合わせて着ぐるみも作った。24日の体育祭でお披露目を予定していたが中止となり、披露する機会はなくなった。
大浦公民館では新型コロナウイルスの感染収束の時期をみて、紙芝居の公開やおもいでマップを活用したイベントなども考えており、本嶋千加良(ちから)館長は「ひし坊と一緒に校下の思い出を地元に伝え残していきたい」と話した。