福井県大野市巣原(すはら)の平家平でブナ林の新緑が日差しにきらめいている。5月28日は葉の間から青空が広がり、鳥のさえずりが楽しげに響いていた。
平家平は姥ケ岳(うばがたけ)の中腹、標高600~1200メートルに位置する約196ヘクタールの森林地帯。かつて平家の落人が移り住んだと伝わる。自然環境と水源の保全を目的に、市が1996年に購入した。
約40ヘクタールのブナ林には約1万本が自生する。標高1200メートル付近では雪の重みで根元が湾曲したものも。個性豊かなブナが若葉を茂らせている。
例年よりやや早い新緑の見頃。時折吹き抜けるそよ風が、重なり合う葉の濃淡を変え、葉擦れの音を運んでいた。