クロモジ(奥)のエキスを抽出する蒸留装置を指さす会員

クロモジ(奥)のエキスを抽出する蒸留装置を指さす会員

長野県 伊那路 特産

商品化目指せ、飯島のクロモジ 森の恵みを知って

信濃毎日新聞(2020年6月14日)

 飯島町の町有林の整備、活用を目指す住民らでつくるグループ「いいじま森の会」が7月上旬、町内の森に自生する低木クロモジの成分を使った商品を発売する。「森のハーブ」といわれる爽やかな香りを生かし、蒸気で抽出したオイルを香り付けに使った除菌スプレーや葉を活用した茶などを準備。拠点にする町内の農業体験施設で13日、会員が製造作業をした。

 細断した枝や葉を蒸し、蒸気を冷やすと、香りのある透明の液と、上澄みの部分にわずかなオイルが抽出された。2時間以上かけてクロモジ4キロから抽出できるオイルは約10ミリリットル。今回はオイルをアルコールに混ぜた除菌スプレーや蒸留液を混ぜた芳香水、葉を業者に頼んで焙煎(ばいせん)したティーバッグを商品化する。

 同会は昨年発足した「飯島の森保全会」が改称。町民ら約70人が町有林を整備する中で下草として自生するクロモジに着目し、株を移植して育てている。会長の福田富穂(ひさのり)さん(64)は「森の恵みを知ってもらい、健康づくりや環境教育、観光など新しい森の活用策を探りたい」と話した。

 クロモジ関連商品は町内2カ所の「道の駅」などで販売を予定している。

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