勝山市の手取層群から発掘されたスピノサウルス科恐竜の歯の化石=7月14日、福井県勝山市の県立恐竜博物館

勝山市の手取層群から発掘されたスピノサウルス科恐竜の歯の化石=7月14日、福井県勝山市の県立恐竜博物館

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勝山で肉食恐竜歯化石 国内4例目、23日から公開

福井新聞(2020年7月15日)

 福井県立恐竜博物館は7月14日、福井県勝山市北谷町杉山の約1億2千万年前(白亜紀前期)の手取層群の発掘調査で見つかっていた歯の化石18点が肉食恐竜スピノサウルス科のものと判明したと発表した。同館によると、国内での発見は4例目だが、保存状態が良好な化石が多数見つかるのは初めて。23日からの企画展で公開する。

 同館で説明会があり、柴田正輝主任研究員(県立大恐竜学研究所准教授)と服部創紀主事(同助教)が報告した。

 柴田主任研究員らによると、化石自体は1991年から昨年にかけて断続的に見つかった。最も大きいもので、歯茎から露出している「歯冠」の長さが46ミリある。

 従前は「ワニなどの歯ともよく似ているので、判断が難しかった」と服部主事。近年になって歯で特定する研究が進み、▽縦方向に多数の筋がある▽断面が前後に長い楕円(だえん)形をしている▽後方にわずかに曲がっている▽先端部分の筋が薄い▽表面に細かいしわがある―との特徴からスピノサウルス科と結論付けた。

 国内でスピノサウルス科の歯の化石は既に群馬県で2例、和歌山県で1例発見されているが、いずれも1点ずつ確認されたのみ。頭や体の骨の化石は見つかっておらず、柴田主任研究員は、勝山市で多数の歯が見つかったことを踏まえ「今後の発掘で骨の化石が発見される可能性は高い」と指摘。詳細な分類につながるなど研究の進展が期待されるという。

 スピノサウルス科は、二足歩行の獣脚類。細長い頭部などが特徴で水辺で生息し、主に魚を捕食していたとされる。背中に「帆」がある大型の種類もいて、映画に登場したことでも知られる。

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