岳山山頂に運ばれる薬師如来坐像と台座、芳名板=小松市粟津温泉の大王寺

岳山山頂に運ばれる薬師如来坐像と台座、芳名板=小松市粟津温泉の大王寺

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粟津・岳山に「白山遥拝所」 小松、大王寺本尊開帳に合わせ

北國新聞(2020年9月23日)

 小松市粟津温泉の住民らが22日までに、地元の岳(だけ)山(やま)(標高164メートル)山頂に「白山遥拝所(ようはいじょ)」を設ける取り組みを始めた。粟津温泉の守護寺である真言宗大王寺の秘仏開帳に合わせた事業で、薬師如来坐像(ざぞう)や案内板を設置し、登山者に開湯1300年の歴史を伝える。片道1時間程度で登頂して加賀平野を望むことができる立地もアピールし、地元住民をはじめ、町内外の人にも足を運んでもらえる場所を目指す。
 霊峰に向かって遠方から祈りをささげる遥拝所は、山頂の東屋(あずまや)に設ける。御影石製で高さ約80センチ、重さ約140キロの台座の上に、滝ケ原石で作った高さ22センチの薬師如来坐像を安置する。像は6月に白山市の石彫作家舟津秀一郎さんが大王寺に寄進した。
 岳山の由来を記した70センチ角のパネルと、事業内容を記した芳名板も設置する。東屋は粟津温泉の青壮年団体「粟津温泉平成会」が1997年に建てた。
 遥拝所の設置は自然体験イベントを企画運営する「アイアンドアイ」(加賀市)の高森真一代表(44)が発案した。大王寺では今月27日、33年に1度の本尊の開帳が行われる。高森代表は本尊開帳に合わせ、地域資源である岳山の魅力を発信できると考えた。
 高森代表によると、岳山は古くは僧侶の修験道で、粟津温泉で湯治をした人が登って遥拝したと考えられるという。粟津で生まれ育った人にとってなじみ深い山だが、近年は登山者が少なく、登山道も手付かずの状態だった。
 20日に登山道の草刈りを行い、22日は粟津温泉平成会と粟津の住民団体「粟津の街づくりを考える会」、高森代表の計15人が台座と芳名板を山頂に運び、東屋に設置した。27日に薬師如来坐像も運び、開眼法要を営む。
 高森代表は「町民一丸となって岳山を整備することで、まずは地元の人に愛着を持ってほしい」と話した。

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