「敦賀のいいところをたくさんの人に届けたい」と話す女性=10月1日、福井県敦賀市神楽町1丁目

「敦賀のいいところをたくさんの人に届けたい」と話す女性=10月1日、福井県敦賀市神楽町1丁目

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「敦賀おでん」つくりたい 地域おこしに岐阜出身の女性

福井新聞(2020年10月2日)

 福井県敦賀市では初となる地域おこし協力隊に、岐阜県出身の女性が10月1日、就任した。東京の会社を"コロナ退職"となり、福井市の越前海岸沿いへの短期移住を経て、港町敦賀で情報発信を担当することになった。「よそから来た視点で、敦賀のいいところをたくさんの人に届けたい」と意気込む。既に名物づくりのアイデアもあるようで「地元の食材でつくった『敦賀おでん』による情報発信もしていく」と目を輝かせた。

 女性は横浜国立大を卒業後、東京の制作会社でイベントの企画運営や会員制交流サイト(SNS)運用を担当。今年1月には旅行会社へ転職したが、新型コロナウイルス感染拡大で4月から3カ月間、休業となった。休業期間中は給与が削減される一方で、副業が認められたため、ライターの仕事をしたほか、八百屋やおでん屋のアルバイトも。「できることに挑戦して、世界が広がって楽しかった」と話す。

 結局、旅行会社は6月末で会社都合退職となり、県内の友人の紹介で越前海岸へ短期移住した。釣ったタイやカワハギ、サザエをもらい「なんてぜいたくなんだろう」と感動した。移動先でおでんを振る舞う「流しのおでん屋」を福井の中心市街地で開き、越前海岸で育った地鶏の卵や、捕れたタコを具材にした。「おでんを囲んで交流できるのはすごく面白い。新しいつながりを生み出せたらいいな」と実感した。

 そうした中で、敦賀市が地域おこし協力隊を募集していることを知った。北陸新幹線敦賀開業を控え、「変わりゆく街の様子を、自分がやってきたことを生かしながら発信できたら」と応募した。

 1日に市役所で委嘱式があり、渕上隆信市長は「場所によって海の色も食べ物も違う。敦賀にあるたくさんの歴史には掘り起こし切れていないものもある。若い力で敦賀の魅力を発信して」と激励した。女性は「面白いことが起きそうだと感じている。具材を探し、敦賀の(名産の)昆布をつかった『敦賀おでん』をつくりたい」。インスタグラムやブログといったSNSだけでなく「おでん」も媒体に情報発信していくと意気込んだ。

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