街路樹の枝を埋め尽くすムクドリ=此花町

街路樹の枝を埋め尽くすムクドリ=此花町

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金沢駅前 ムクドリの大群、住民憤慨

北國新聞(2020年11月16日)

 夕暮れ時の金沢駅前に連日、ムクドリの大群が押し寄せ、騒音やふんの被害が出ている。街路樹に数百羽が集まって、夜通し甲高い声で鳴き続けており、住民らは「景観がひどいし、何よりうるさくて臭い」と顔をしかめる。相次ぐ苦情を受け、市は今年度、ムクドリが嫌う音を鳴らす装置で追い払い始めたが、住民からは「効果は一時的」と冷ややかな声も上がる。
 午後5時ごろ、おびただしい数のムクドリが金沢駅兼六園口の周辺を飛び交いながら、暮れゆく空を黒く覆っていく。次第に街路樹に止まり始め、「キュルキュルギュー」と耳をつんざく鳴き声が周辺に響いた。街路樹下の電話ボックスにはふんが垂れて固まり、周辺の車道や歩道は、異臭と共に広範囲にわたって白い斑点がまき散らされている。
 付近のビル管理人の男性(70)は毎朝40分ほどかけて歩道のふんを洗い流しており、「ひどく臭う上に、雨が降ったらヌルヌルになって滑りやすくなる。気持ち悪いので清掃が欠かせない」とため息をついた。
 鴨池観察館(加賀市)の櫻井佳明レンジャーによると、ムクドリは、昼間は数匹の群れで水田などを歩き回り、夜には数百羽の群れとなって、明るい場所が近くて天敵の少ない街路樹や電線に止まって眠る。
 数秒に1度は目を開けるため、人が近くを通ると、深夜でも警戒の鳴き声を一斉に響かせる。こうした集団行動は繁殖期前の3月ごろまで続くという。
 市は鳥が嫌う音を鳴らすハンディータイプの装置を使い、情報が寄せられた場所に出向いて追い払う。15日までに2度実施し、ムクドリはその場を離れた。ただ、「あくまで別の場所に移るだけだ。ムクドリは頭が良く、効果は長く続かないかもしれない」(担当者)と話す。
 付近に住む主婦(46)は「ふんが頭に掛かるので、夕方はムクドリのいる歩道を避けて通っている。金沢の玄関口なので、きれいにしてほしい」と語った。

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