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勝山左義長まつり大幅縮小 浮き太鼓中止、神事のみ

福井新聞(2020年12月2日)

 福井県指定の無形民俗文化財で、奥越に春を呼ぶ奇祭として知られる「勝山左義長まつり」が、来年は新型コロナウイルス感染防止のため規模を大幅に縮小することが12月1日、分かった。五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願する神事のみを来年2月28日に行い、やぐらでの「浮き太鼓」の披露などは中止する。

 山岸正裕市長の定例会見に、同まつり実行委員会の松村誠一委員長代行が出席して報告した。

 勝山左義長まつりは300年以上の歴史があるとされ、毎年2月の最終土、日曜に行われてきた。県内外から例年10万人前後が訪れている。

 実行委事務局の市などによると、夏ごろから同まつりの舞台となる市街地の13区で来年に向けての対応を協議。10月に各区とも縮小の意向を示したことから、11月の実行委会合で、やぐらの設置や浮き太鼓の披露、短冊の飾り付けなどの中止を決定した。

 また、神事についても「どんど焼き」は縮小する。例年九頭竜川河川敷に14のご神体(松飾り)を並べて夜に実施してきたのを、来年はご神体を一つにして日中に行う。実施場所は未定で、実行委本部での正月飾りの受け付けも行わない。

 このほか「子どもばやし」「作り物」など関連するコンクールも中止。ただ「子どもばやし」について、松村委員長代行は「練習を継続している区もあり、それぞれの区で工夫して(まつり当日以外で)披露する場を設ける話はある」と述べた。

 山岸市長は「大変残念。できれば実施したかったが、新型コロナを踏まえた実行委の判断は妥当だと思う」と話した。

 同まつりはこれまでにも戦時中に中止となったほか、豪雪時などに規模を縮小したことがある。直近では1989年に、昭和天皇が崩御されたことを受けて神事のみが行われたという。

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