ステンドグラスを用いた仏壇など多彩な仏壇が並ぶ会場=広坂1丁目の金沢クラフト広坂

ステンドグラスを用いた仏壇など多彩な仏壇が並ぶ会場=広坂1丁目の金沢クラフト広坂

石川県 金沢市周辺 特産

金沢仏壇、多彩に 商工業協組・青年部6人

北國新聞(2021年2月19日)

 昨今の住宅事情の変化に伴い、金沢仏壇が多様化している。これまでの小ぶりなタイプに加え、インテリアにもなるステンドグラスと伝統技法を組み合わせた斬新なデザインが登場。仏壇離れが進む中、仏壇にはなじみのないヒマワリをあしらったものなど、仏間のない住宅や、仏壇を置くための空間を確保できない賃貸住宅など、現代の暮らしに応じた装飾を提案している。
 金沢仏壇商工業協同組合青年部が18日、金沢市広坂1丁目の金沢クラフト広坂で始めた「現代の金沢仏壇と手仕事展」(北國新聞社後援)では、6人がケヤキの小型仏壇や蒔絵(まきえ)で梅や桜、藤を描いたミニ骨つぼなど約50点を寄せた。
 塗師岡聖治(ぬしおかまさはる)さん(36)は「扉を閉めてもインテリアのように飾ってほしい」と正面の扉にステンドグラスを取り入れた新作を用意。暗がりで照明を付けると、幻想的な青色の光が広がる。内部に螺鈿(らでん)塗りの市松模様を施すなど、金沢仏壇の技も凝らした。
 他にも、扉を閉めると大輪のヒマワリ、開くとヒマワリ畑の蒔絵をあしらった仏壇を展示。塗師岡さんは「仏壇の需要が減る中、伝統技法を引き継ぎながら、現代風な物を作りたい」と意欲を見せる。
 第一生命経済研究所が2009年、全国の35~79歳の男女600人へ調査した結果、仏壇が子どもの頃、家にあったと答えた人は68・7%、現在もあると答えた人は46・9%だった。
 青年部長の池田拓朗さん(35)によると、近年、代替わりする時に小型な仏壇を新調する人が多く、手入れしやすい木製や、台や棚の上に置けるサイズが人気という。
 展示会では金沢仏壇の技法を用いたスマートフォンケースなども並べた。池田さんは「若い人の興味を引くきっかけをつくりたい。小さくても仏壇で手を合わせる時間を持ってほしい」と話した。28日まで。

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