殺菌作用のある酸素の気泡を溶かした「八百姫ひらめ」の養殖水槽=福井県小浜市阿納尻

殺菌作用のある酸素の気泡を溶かした「八百姫ひらめ」の養殖水槽=福井県小浜市阿納尻

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「八百姫ひらめ」上質甘みと日持ち特長 福井県・小浜

福井新聞(2021年3月5日)

 水産加工業の小浜海産物(本社福井県小浜市川崎2丁目、西野弘純社長)は、病気の予防薬などを使わずに陸上養殖したヒラメのブランド化を目指している。3月から本格出荷を開始。人魚の肉を食べ不老不死となる地元の「八百比丘尼(はっぴゃくびくに)」伝説にちなみ、「八百姫(やおひめ)ひらめ」と名付け「歴史深い若狭小浜のPRにも貢献したい」としている。

 重さは800グラム以上で、余分な脂を抑えた上質な甘みと日持ちの良さが特長。締めてから寝かせることで熟成され4、5日目が一番甘みが出るという。

 小浜市阿納尻の陸上養殖施設で2019年12月から育て、昨年12月に出荷を始めた。

 養殖は、殺菌作用のある細かい酸素の気泡「酸素ナノバブル」を溶け込ませた小浜湾の海水を使い、病気のワクチンや予防薬を投与せずに感染症や寄生虫のリスクを低下。気泡により水中の酸素量が増えるため、一つの水槽で従来より2、3倍の量を育てることができるという。取り込んだ海水はろ過、殺菌し、よりきれいな状態にして海に戻している。

 一般的な養殖では、脂の乗りがいいものを育てるが、自社配合の低脂質の餌で肝臓を肥大させずほどよい脂に抑え、身が引き締まり歯応えがよくなるという。

 淡泊な味わいの中に「魚本来の甘みが堪能できる」と担当者。刺し身や昆布締めがお薦めだという。

 県内のほか東京、滋賀などのスーパーや料亭などに卸し、年間1万8千~2万匹の出荷を見込む。

 養殖事業部長は「市民に認知され、食べてもらえるブランド魚を目指したい」と話している。

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