福井県越前市味真野地区に古くから伝わる国の重要無形民俗文化財「越前萬歳(まんざい)」を紹介する展示が、市万葉館で開かれている。パネルや人形、映像などを通して新春の祝福芸の雰囲気を感じられる。3月28日まで。
越前萬歳は毎年元旦に同市池泉町の味真野神社で奉納され、舞い手の「太夫(たゆう)」とすり太鼓をたたく「才蔵(さいぞう)」が演目を披露する。今年は新型コロナウイルスの影響で中止となったため、越前萬歳を別の形で知ってもらおうと同館が企画した。
衣装の紹介コーナーでは、「掛素袍(かけすおう)」と呼ばれる衣装や金色のはかま、侍烏帽子(えぼし)を身に着け扇を持つ太夫と、真っ赤な大黒ずきんに太鼓を持つ才蔵の人形を展示。悪魔を追い払い家の繁盛を祈る演目などが映像で紹介され、越前萬歳の由来や演目の種類を紹介するパネルも並んでいる。
同館の担当者は「今年は奉納がなくなり残念だが、展示を見て越前萬歳の雰囲気を感じてほしい」と話していた。午前9時~午後5時開館。休館は月曜(祝日除く)と祝日の翌日。入場無料。