高善庵遺跡で見つかった瓦片(手前)。興道寺廃寺跡のものと比べ形がゆがんでいる=4月21日、福井県美浜町歴史文化館

高善庵遺跡で見つかった瓦片(手前)。興道寺廃寺跡のものと比べ形がゆがんでいる=4月21日、福井県美浜町歴史文化館

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「興道寺廃寺」の瓦窯場所を推定 美浜歴史文化館で速報展

福井新聞(2021年4月27日)

 福井県美浜町の国指定史跡「興道寺廃寺跡」と関わりの深い「高善庵(こぜんな)遺跡」の第4次発掘調査速報展が、町歴史文化館で開かれている。興道寺廃寺の瓦を焼いたとされる窯の場所を推定できたことなど、遺物やパネル約40点で成果を伝えている。6月27日まで。

 高善庵遺跡は興道寺廃寺跡の南方に位置。名前は周辺の小字(こあざ)「高善庵」にちなむが、由来は不明という。

 同館によると、全国的に寺跡付近には瓦窯跡も見つかることがほとんど。同遺跡でも1937年に興道寺廃寺と同じ特徴の瓦が出土していた。正確な場所の記録が残っていないため特定しようと、2003年と、18~20年度に発掘調査を行った。

 速報展では、1~3月の調査で見つかった瓦片約30点のうち13点を展示。旧弥美小西分校跡地裏の山の尾根に散乱していたという。粘土を成形する際についた平行な線や縄目の文様などから、廃寺跡の出土品と同じものと断定した。

 ゆがんだ形が多いため、同館の副館長は「今回発見したのは焼き損じを捨てる灰原だろう。近くに瓦窯があったのは間違いなく、今後の調査の手がかりになる」とした。

 このほか、興道寺廃寺が10世紀初頭に廃絶した後に建ったとみられる平安時代後期(11~12世紀)の寺院跡も新たに発見された。

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