長野市戸隠の戸隠牧場で牛の放牧が始まっている。戸隠連峰や黒姫山を望む標高約1200メートルの放牧地では25日、ホルスタインやジャージー牛が草をはんだり、敷地内を駆け回ったり。涼しげな高地で時折「モォー」と鳴き声を上げながら、伸び伸びと過ごしている。
牧場では20日に市内外の酪農家から受け入れた牛の放牧を開始。10月末まで預かり、体づくりや繁殖に取り組む。この日も午前中に受け入れた和牛を従業員が体高と体重を測り放牧した。約130ヘクタールの敷地に現在、31頭を放牧しており、期間中に新たに生まれる子牛も含め、約120頭が夏場を牧場で過ごす。
牧場主任の田村理香さん(50)は「預かった牛を放すと途端にうれしそうに走り回る。今年は草の伸びがいいから牛も喜ぶと思う」。
牧場は6月1日から観光客らを受け入れる。田村さんは新型コロナウイルス対策を念頭に「屋外だがマスクを着用し、動物に触れずに観察してほしい」とし、「大自然と動物の和やかな風景を楽しんでもらいたい」と話していた。