姨捨の棚田で月食の撮影のタイミングを待つ参加者たち=26日午後6時51分

姨捨の棚田で月食の撮影のタイミングを待つ参加者たち=26日午後6時51分

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月がいざなう千曲 皆既月食で撮影会、月関連の催し今後も企画

信濃毎日新聞(2021年5月28日)

 国名勝「姨捨の棚田」などの一帯が「月見」を巡るストーリーで文化庁の日本遺産に認定された千曲市で、信州千曲観光局(千曲市)が26日夜、「スーパームーン」の皆既月食に合わせた月の撮影会を開いた。今後も民間企業と連携して「月」に関連した催しを企画する方針。日本遺産認定を市民に知ってもらいつつ、観光誘客を図る。

 一帯は「月の都千曲―姨捨の棚田がつくる摩訶(まか)不思議な月景色『田毎(たごと)の月』」として日本遺産に認定されている。観光局は、JR姨捨駅や長野道姨捨サービスエリアで夜景を観賞するツアーを開いてきたが、近年は参加者が減少。観光局専務理事の小沼浩栄さん(54)は「月というコンテンツを生かした観光誘客が、これまで十分とは言えなかった」と話す。

 26日の催しは、カメラ機材を定額料金で貸し出すサービスを展開するカメラブ(東京)と連携した。旅先で仕事と休暇を両立させる「ワーケーション」の体験会が2月に市内で開かれた際、同社役員も参加。観光局職員との間でカメラを生かした催しを開くアイデアが持ち上がり、準備してきた。

 棚田近くの市日本遺産センターなどを会場に設定。カメラブが撮影機材を用意し、参加した20人余の多くは手ぶらで訪れた。写真撮影の講座もあり、月と風景を一緒に撮影するこつを解説。その後、実際に月食の撮影に挑戦した。ただ、月は雲に隠れたままで、参加した30代男性は「残念。写真の腕を試すのはまた次の機会に」と話した。

 観光局は今後、地元の旬の野菜を生かした食などもアピールしながら、センターを軸に月にまつわる催しを開く構想。小沼さんは「コアなファンが参加したくなるようなイベントを企画し、さまざまな人が千曲市を訪れるように仕掛けたい」と話した。

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