福井県若狭町を中心に栽培されている県特産「福井梅」の収穫が本番を迎えた。同町内の農園では丸々とした実が順調に育ち、地元農家が収穫作業に汗を流している。JA福井県が6月3日、初出荷する。
福井梅は梅酒などに適した「剣先」や肉厚で皮が薄い「紅映」など4品種あり、県内8市町で生産している。近年、全体で600~900トンを出荷しており、うち8割を同町産が占める。
今年の出荷量について、JA福井県三方五湖支店は好調だった昨年並みの約900トンを見込んでいる。3月の気候や気温が安定したことに加え、ミツバチによる受粉が順調だったのが理由という。
同町田井の約2千平方メートルの農園で1日、近くの小林さんが今季初の収穫に臨んだ。連なるようになった「剣先」の実を、小林さんと手伝いに来た柿本さんが丁寧にもいで、かごに詰めていた。小林さんは「結構実がついている。傷がなく品質は良い」と満足した様子だった。
3日の初出荷後、同町成出の梅の里会館で5日から「剣先」、12日から「紅映」を販売するほか、JA全農の通販サイトなどでも扱う。同支店の担当者は「コロナ禍で家にこもる人が増えた。自宅で梅干しや梅酒をつくってみては」と話していた。