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「善光寺びんずる市」境内で再び 12日から月1回

信濃毎日新聞(2021年6月11日)

 長野市の善光寺で12日、手作り品や農産物を販売する月に1度の「善光寺びんずる市」が再開される。昨年は新型コロナウイルスの影響で境内で開くことができず、2年ぶり。感染対策で出店を通常の約半数となる100店ほどに絞るが、実行委員会は早ければ今夏以降、隣の県立美術館や城山公園を会場に追加することで出店数を増やし、訪れる人の回遊性も高めたいとしている。

 びんずる市は、本堂にある「びんずる尊者像」の完成300年を記念し、地元の商店主らでつくる実行委が2013年6月に開始。翌年からは4~11月の第2土曜日に開き、農産物や菓子、手工芸品など県内外から200近い出店者が集まるようになった。常連客との交流が生まれ、びんずる市への出店を経て市内に店を構える人も出てきた。だが、昨年は開催を断念。11月から今年5月まで(1、2月は除く)、アーケードのある権堂商店街での出張開催に取り組んだものの、寒い時季でもあり、出店は多い時でも30ほどにとどまった。

 9年目となる今年は共催の善光寺と協議し、出店数を絞って再び境内で開くことにした。6月12日は約100店が出店予定で、店同士の間隔を空ける他、エリアを区切って入り口を設け、体温やマスク着用の確認などを行う。「多くの皆さんの出会いの場を再び演出したい」と実行委員長の箱山正一さん(47)。びんずる市を「長野になくてはならない風物詩にしたい」と意気込む。

 同寺周辺では、びんずる市での子ども向け手作り体験会で連携してきた県信濃美術館が、4月に県立美術館として新装開館。城山公園も7月に再整備が終わる予定だ。このため実行委は、早ければ8月に同美術館本館3階の屋上広場へ、びんずる市の会場を広げることを計画中。城山公園を会場として活用する構想も描く。

 来年春には、当初予定の今年春から1年延期された善光寺御開帳が控える。15年の前回御開帳期間中、びんずる市は休止したが、実行委は美術館や同公園での開催を重ねることで「御開帳期間中にも開けるよう準備していきたい」としている。

 今年のびんずる市は、11月までの第2土曜日午前10時~午後3時に開く予定。

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