金沢市などが2年ぶりに開催した高校生の和食料理コンテスト「全日本高校生WASHOKUグランプリ2021」(北國新聞社後援)は10日、決勝大会が野町3丁目の金沢未来のまち創造館で行われた。県内外の29校110チームから書類審査を経て、勝ち抜いた6チームが「だしを使った和食」をテーマに腕をふるった。琉球料理をアレンジした沖縄県立浦添工業高の「ニライカナイ」がグランプリに輝いた。
〈金沢市2年ぶり開催〉
三重の2チーム、東京、京都、長野、沖縄の各1チームが決勝に進んだ。2人一組で制限時間の60分以内に、鮮やかな手さばきで、地物食材を取り入れて考案した和食3食分を用意した。各チームは昆布やかつお節、シイタケなどで丁寧にだしを取った。
生徒らはプレゼンテーションで、開催委員長の日本料理「銭屋」主人の髙木慎一朗氏ら5人の審査員に、料理への熱意や工夫したポイントを紹介。審査員は試食し、料理の創造性や独自性、盛り付けの美しさ、栄養バランス、手際の良さなどで審査した。
グランプリには、紅芋の天ぷらや沖縄風おでん「ヌンクウ」などを振る舞った「ニライカナイ」が選ばれた。調理科3年の上運天里華さん、古謝一歌さんは審査員に、肉質が柔らかな琉球すっぽんを自ら解体したことなどを話した。2人には金沢の工芸作家によるオーダーメードの器セットなどが贈られる。
大会は8日に開館した同館のこけら落としイベントとして開催された。鵬学園の生徒がボランティアで調理補助員、辰巳丘高の生徒が司会を務めた。
開会式では、山野之義市長が「和食の魅力を高め、金沢から全国に発信してほしい」とあいさつ、髙木委員長が「世界中に活躍の場を求め技を磨いてほしい」と呼び掛けた。久保洋子市議会議長が祝辞を贈った。
審査員は髙木氏のほか、京都の武者小路千家家元後嗣の千宗屋氏、辻調理師専門学校長の辻芳樹氏、京都吉兆総料理長の徳岡邦夫氏、金沢学院短期大の食物栄養学科長の原田澄子氏が務めた。