北極圏に住む民族の狩猟文化や伝統を紹介する巡回展が8月28日まで、福井県おおい町本郷公民館で開かれている。シロクマやアザラシの毛皮で作った分厚い防寒具や狩猟具などを展示している。30日からは同町岡田の若州一滴文庫で展示する。
幼少期を美浜、高浜両町で過ごした犬ぞり北極探検家の男性と、同町大島公民館、本郷公民館、同文庫が企画。大島公民館を皮切りにスタートした。
民具約20点を展示している。防寒具は男性用と女性用があり、男性用の靴「カミッパ」はシロクマの毛皮で作られ、外側はふさふさの白い毛で覆われている。女性用のロングブーツ「アンナトゥ」は、内側はトナカイ、外側はアザラシの皮製。トナカイの毛皮で作ったコートは分厚くモフモフしている。
狩猟用のもり、もりを打った獲物にとどめを刺す道具、シカなどの骨で作ったけん玉、知恵の輪に似た遊び道具もあり、手で触れることができる。氷に穴を開け、呼吸のため顔を出すアザラシやセイウチを待ち構える猟の写真や、現地の子どもたちが描いた絵も展示している。
若州一滴文庫での展示は9月19日まで。