石川県 金沢市周辺 祭り・催し

金沢マラソン 沿道にロボ、遠隔応援

北國新聞(2021年10月5日)

 31日の第7回金沢マラソンで、金沢市は第5世代(5G)移動通信システムを使った実証実験を行う。超高精細な8Kカメラによる映像を配信するほか、沿道に設置した遠隔操作ロボット「アバター」を用いた応援、大型モニターでの激励メッセージの表示を企画した。新型コロナの影響で従来通りの開催が難しい中、最新技術を駆使して大会を盛り上げ、市民生活への普及にもつなげる。

 5Gシステムを用いた実証実験は6月の金沢百万石まつりで行う予定だったが、コロナの感染拡大で同まつりが中止となったため、金沢マラソンで実施する。

 大会当日は8Kカメラで撮影した映像を生配信するとともに、高画質な画像でデータを記録し、ランナーがレース後に自身の走っている様子を視聴できるようにする。

 沿道には、画面に観客の顔の画像が表示されるアバターロボットを最大5台設置する。自宅などからスマートフォンやパソコンでロボットを操作し、ランナーにリアルタイムで声援を届ける。

 レース後半の30~35キロ地点には、190インチの大型モニターを側面に取り付けた車両を配置。出場者の家族や知人らから募った音声データをAI(人工知能)が文字化し、最もきついとされるレース最終盤に臨むランナーを鼓舞する。

 第7回大会はコロナ感染防止のため、一部の応援スポットを除いて沿道での応援自粛が求められている。

 実証実験は5Gの普及を図るため、2019年9月に市とNTTドコモなどが締結した連携協定の一環で行われる。市産業政策課の担当者は「ウィズコロナ時代の新たなイベント参加の形を提案したい」と話した。

 金沢マラソンは石川県や市、北國新聞社などで構成する組織委員会が主催する。

 衆院選投開票日が金沢マラソンの開催日と重なったことを受け、第7回大会の準備を進める金沢市の担当者は「まさか、同日になるとは」と驚き、大会運営の見直し作業に追われた。

 コース周辺には投票所が複数あるため、市は投票へ向かう車の誘導など交通整理に当たる職員らの増員を検討している。市選管も投票所や期日前投票所となる会場の空き具合の確認を進める。

 山野之義市長は「期日前投票の呼び掛けなど、影響を最小限にとどめたい」と述べた。

えきねっと びゅう国内ツアー

金沢市周辺 ニュース