京都三大祭りの一つ「葵祭」に合わせ、賀茂別雷(かもわけいかずち)神社(上賀茂神社)に毎年フタバアオイを奉納している福井県鯖江市の「吉江あおい会」の活動が、京都市の一般財団法人葵プロジェクトが発刊した本に紹介された。同神社の権禰宜(ごんねぎ)らが10月19日、同市吉江町の近松会館を訪れ、小松原会長に謝辞を述べるとともに書籍を贈った。
本のタイトルは「京都上賀茂神社と水のご縁 葵(あふひ)」。同神社の「葵の森」再生活動に取り組む葵プロジェクトが1日に発刊した。
京都では環境変化や獣害の影響で、自生するフタバアオイが激減している。フタバアオイは葵祭には欠かせないもので、吉江あおい会は祭りの開催に大きく貢献している。
近松会館には権禰宜の藤木さんと、葵プロジェクト理事の高瀬川さんが訪れた。藤木さんは「葵祭に必要な7千本のうち、3千本を鯖江の皆さんが奉納してくれ、今や欠かせない存在」と感謝。小松原会長は「大変光栄。われわれの努力が実ったようでうれしい」と応えた。
吉江あおい会は吉江藩の家紋「三つ葉葵」にちなみ、立待小や立待公民館などでフタバアオイを育てている。2007年に同神社から株を持ち帰ったのをきっかけに、翌年から栽培を始めた。奉納は11年から続けている。
本は上賀茂神社と葵について歴史や食文化、民俗学、環境学の視点から紹介している。B5判変型、144ページ。1320円(税込み)。県内主要書店で販売している。