内覧会で公開された東山魁夷の障壁画=18日、長野市の県立美術館

内覧会で公開された東山魁夷の障壁画=18日、長野市の県立美術館

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東山魁夷、鑑真思う68面 長野県立美術館で唐招提寺障壁画展

信濃毎日新聞(2021年11月19日)

 長野県立美術館(長野市)で19日、「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」(県、信濃毎日新聞社など主催)が始まる。信州ゆかりの日本画家東山魁夷(1908~99年)が、奈良時代に苦難の末に中国・唐から来日して奈良・唐招提寺を開いた鑑真和上にささげるため、63歳から10年の歳月をかけて完成させた全68面の障壁画を県内で初めて公開する。18日、内覧会があった。

 障壁画は、国宝「鑑真和上坐像」を安置する御影堂を彩り、唐招提寺でも拝観できるのは年3日間に限られる。大小五つの部屋を囲むふすまや床の間に描かれており、今回の展示では畳や柱などを部分的に再現した。

 海辺に波が寄せる「濤声(とうせい)」と、森に覆われた山に霧が立ちこめる「山雲」の2作品は視力を失った鑑真が見られなかった日本の風景を表現し、青色が基調。鑑真の故郷を表した「揚州薫風(ようしゅうくんぷう)」など中国を題材とした3作品は水墨が使われている。

 本作のスケッチや下絵の他、人気の高い連作「白い馬の見える風景」など同時期に描かれた作品も並べた。来年1月16日までで、毎週水曜と年末年始(12月28日~1月3日)は休館。一般1500円、大学生1300円、高校生以下・18歳未満は無料。

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