堂童子当役の若麻績宗亮住職(左)が坊の門にしめ縄を飾った「御注連張り」

堂童子当役の若麻績宗亮住職(左)が坊の門にしめ縄を飾った「御注連張り」

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善光寺に師走「御注連張り」 正月行事始まる、扱い未定も

信濃毎日新聞(2021年12月2日)

 善光寺(長野市)で1日朝、宿坊の門にしめ縄を張る「御注連(おしめ)張り」があり、正月行事が始まった。寺は年末年始について、新型コロナウイルス感染症の流行の落ち着きを踏まえ昨冬のような「分散参拝」は原則呼び掛けない方針。しかし、流行の先行きは見通しづらく、参拝者らが接触する行事の扱いはまだ固めていない。仲見世や門前の商店にも人出が回復するかどうか慎重な見方がある。

 小雨がぱらつく中、正月行事を取り仕切る「堂童子当役(どうどうじとうやく)」を今回担う若麻績宗亮(わかおみそうりょう)・向仏坊(こうぶつぼう)住職(47)ら2人が坊の門にしめ縄を張った。集まった浄土宗一山(14坊)の住職が読経。若麻績住職は、新型コロナを踏まえ「来る年が皆さまに幸多い年になるよう願いたい」とした。

 昨冬の正月行事は、なでた場所の痛みや病気が治ると伝わる「びんずる尊者」の木像を引き回す「びんずる回し」を職員のみで実施。極楽浄土に行くことを願う「御印文頂戴(ごいんもんちょうだい)」は、僧侶が参拝者の額に紙を置いて宝印を押し当てた。寺事務局はともに今冬の開き方は「検討中」とする。

 全世界的にオミクロン株への警戒感も高まっている。仲見世通りのそば店「喜多平」の中村茂さん(72)は「もうちょっと様子を見て仕込みの量を考えたい」。土産品店の店主は、来春の御開帳も見据え「何とか収まっていてほしい」と願った。

 だるまや熊手、お守りといった縁起物は、昨冬は分散参拝を促すため、開眼法要の実施時期を前倒しした。今回は例年通り12月中旬に法要を行い、分散を促すチラシやポスターも用意しない。

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