入善海洋深層水パークと園家山キャンプ場を結ぶ「報徳園家山キャンプ場線（シーサイドロード）」の開通式が２１日、同町下飯野のパーク前で開かれ、関係者が祝った。入善漁港、深層水パークからキャンプ場までが一直線で結ばれ、観光客や漁業者らの利便性が大幅に向上する。

　町が農山漁村地域整備交付金（補助率国５０％、県２５％）を活用し、２０１７年から整備を進めてきた。事業費は約５億円。道路は延長８５０メートル、幅員７メートル。津波や高波など災害時の避難路としての機能も持つ。

　入善海洋深層水パークと園家山キャンプ場の間はこれまで直線道路がなく、町によると、開通により走行距離は２分の１程度に縮まったという。

　開通式で笹島春人町長が「町を代表する二つの観光資源の魅力が向上する。サイクリストにも利用してもらい、魅力発信につなげたい」と式辞。野島浩町議会議長が「町民待望のシーサイドロード開通をありがたく思う。漁業や観光振興にもつながる多目的な道路となる」と祝辞を述べた。関係者がテープカットした後、車に乗り込み、真新しい道路を走行した。

　地元地区会長の原弘志さん（６６）は「この辺は散歩コースでこれまで堤防を歩く人もいて危険だったが、解消される。『入善　牡蠣ノ星』へのアクセスも良くなった」と喜ぶ。