レンガ造りの麹室で、麹蓋を並べていく畑さん(右)

レンガ造りの麹室で、麹蓋を並べていく畑さん(右)

富山県 高岡・氷見・射水 特産

寒仕込みしょうゆ最盛期 小矢部の畑醸造、伝統のレンガ麹室使う

北日本新聞(2022年1月29日)

 レンガ造りの「麹室(こうじむろ)」を用いた全国でも珍しいしょうゆ造りを続ける畑醸造(小矢部市浅地)で、寒仕込みが最盛期を迎えている。近年、県内外から注文が増えており、28日も従業員が伝統の作業に精を出した。

 畑醸造では、1929(昭和4)年の創業以来、保温保湿に適したレンガ造りの麹室で手作りしょうゆ「極寒仕込み 北陸」を生産している。水と空気が澄んで雑菌が増えにくく、麹の温度を管理しやすい1~3月に仕込む。

 しょうゆ造りでは、小矢部産大豆と高岡産小麦を下処理して麹菌と混ぜ、麹蓋(ぶた)と呼ばれる木箱に入れる。室温30度、湿度70%に保った麹室で3日間発酵させる。一連のサイクルを3月上旬まで続けた後、沖縄産の自然塩と水を混ぜて3年間発酵・熟成させ、香りとうま味を出す。

 28日は、従業員が麹菌と大豆、小麦を混ぜ、麹蓋に入れて麹室に運んだ。機械の力を借りず、人の手で三昼夜にわたり、室温と湿度を小まめに管理する。

 完成したしょうゆは、首都圏の高級スーパーや飲食店に納入する。新たに県内外の焼き肉店やラーメン店、料理屋からも注文が入っており、今冬は、大豆と小麦をいずれも昨年より約300キロ多い1・8トンに増やして約1千本増産する予定。4代目で専務の畑彰さん(47)は「今冬は気温が低く、仕込みに適している。少しでもいいしょうゆに仕上げたい」と話した。

 商品は工場横の直売所と同社オンラインショップで販売している。

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