プチプチとした食感から「森のキャビア」とも呼ばれる珍しい果物「フィンガーライム」の生産が金沢市大額町で進められている。飲食業などを手掛ける「SU―BEE(サビー)」=玉川町=が約5千坪の敷地にビニールハウスを建て、色や形、香りが異なる18種を栽培、今年から出荷を本格化させる計画だ。生産者は「額産」の希少なフルーツを県内外の飲食店やホテルに売り込もうと5月以降の収穫期を心待ちにしている。
フィンガーライムは豪州原産で、長さ4~8センチの円筒形の果物。種類によって果肉がピンクや緑、黄色とさまざまで香りも違う。
同社では5年ほど前からフィンガーライムを育てていたものの、当初は実がつかなかったという。ただ、仕入れた果実は食感が楽しく、長野や山口などに従業員が足を運んで栽培方法を学び、本格的に取り組み始めた。
苗木や成木200鉢を用意して生産を始めた昨年は、収穫量が約10キロにとどまった。一方、サンプルを県内外のホテルなどに提供したところ、「粒が小さくライムなのに和食との相性もいい」と評判は上々だったという。
品種によって収穫時期にばらつきはあるが、今年は5~11月にかけ約200キロの出荷を目指す。
サビーはドッグランを併設した大額町の敷地に、ビニールハウス4棟、発泡スチロールで作られたドームハウス2棟を構える。フィンガーライムに加え、観葉植物、栄養価の高いマイクログリーン、食用花などを育てている。
高市博繁農場長(47)は「見た目がきれいで、食感も想像以上にインパクトがある。どんな料理にも合うフィンガーライムを楽しんでもらいたい」としている。