舞台あいさつする春田監督(右)と出演した児童生徒=2月23日、福井県越前市文化センター

舞台あいさつする春田監督(右)と出演した児童生徒=2月23日、福井県越前市文化センター

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映画「Eternal of link」の春田克典監督「越前和紙を世界に広めたい」 越前市で試写会

福井新聞(2022年2月24日)

 福井県越前市の伝統工芸、越前和紙の産地を舞台に職人一家の物語を描いた映画「Eternal of link~未来へ~」の完成披露試写会が2月23日、市文化センターで開かれた。市内の工房でロケを行い、産地の歴史や暮らしぶりに光を当てた作品。舞台あいさつに立った春田克典監督は「地元の人たちの多くの協力で作ることができた。映画を通して越前和紙の魅力を世界に広めたい」と語った。

 作品は、高齢の和紙職人と孫娘2人の物語。東京でそれぞれ水彩画家とアイドルの道を挫折しかけた孫娘たちが、祖父の生きざまを知ることで、未来にやるべきことに気付く―というストーリー。制作会社「ハルエンタテインメント」(東京)が手掛け、和紙職人をキートン山田さん、孫娘役を石崎なつみさん、葉月りんさんが演じた。

 春田監督が越前和紙に着目したのは、浮世絵版画の刷り師の友人が愛用していたのがきっかけ。その和紙を作る職人のの下を訪れ、人柄の温かさや後継者不足の現状を聞く中で物語が浮かんだ。昨年10月にスタッフが越前市に10日間泊まり込んで撮影し、職人の工房や越前海岸でもロケを行った。

 試写会には市民ら約250人が参加。職人も駆け付け「和紙職人の思いをうまく表現してくれた。越前を代表する紙の文化を絶やしてはいけないと、あらためて思った」と話していた。孫娘2人の子ども時代を演じた成和中1年の生徒、成器南小4年の児童も会場を訪れ「思ったよりうまくできた」「撮影は楽しかった」と振り返った。

 「越前和紙が1500年続いてきたのは、地域の人たちが『やるべきこと』をやってきたから」と春田監督。「新型コロナウイルス禍でやりたいこともできない世の中だが、映画を通して夢をあきらめないことの大切さを伝えられたら」と話していた。

 「Eternal―」は今夏に米配給会社を通じてロサンゼルスで公開し、スペインやフランスなど各国の映画祭の出品も目指している。国内でも単館での上映を見込んでいる。

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