２０２４年春の北陸新幹線敦賀開業に向け、福井県敦賀市金ケ崎地区に宿泊機能付きレストラン「オーベルジュ」の整備を目指す協定を同市と前田建設工業（東京）、アクアイグニス（同）の３者が３月２２日、締結した。２４年度中のオープンを目標にしており、渕上隆信市長は「敦賀が旅の目的地となるようにしたい。周辺市町のにぎわいにもつながれば」と期待を話した。

　オーベルジュは地元ならではの食材をシェフが提供する点が魅力で、地域にとっては宿泊客増につながり経済効果が期待できる。県は昨年５月、新幹線開業に合わせ県内に複数誘致しようと、実績のある両社と開発協定を結んでいた。

　金ケ崎地区は協定に基づく候補地第１号。金ケ崎緑地を中心とする同地区に、人の流れも考慮して気比神宮や敦賀駅など周辺エリアを加えてオーベルジュなどのにぎわい創出施設を整備し、敦賀市は２社に積極的に協力するとした。

　この日は渕上市長と前田建設工業の前田操治社長、アクアイグニスの立花哲也代表取締役が、前田建設工業本店で協定書に署名。杉本達治知事が立ち会った。

　前田社長は「美しい自然やおいしい食材、国際都市として栄えた歴史もある」と金ケ崎地区の魅力を説明。立花代表は具体的な計画は今後検討とした上で「来年春先には着工できれば。格好いい施設を造りたい」と話した。杉本知事は「市とともににぎわい施設を整備し、観光のメッカにしたい」と述べた。

　前田社長は、県内の他地域でもオーベルジュの検討が進んでいるとし「しかるべき時期が来たら公表したい」とした。