見学スペースが設けられる登り窯の建屋=能美市泉台町

見学スペースが設けられる登り窯の建屋=能美市泉台町

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九谷焼美術館、登り窯に見学スペース 石川県能美市が今秋改修

北國新聞(2022年3月30日)

  ●ガラス張りの建屋、焼成体験も

 2024年春の北陸新幹線県内全線開業に向け、能美市は今秋、市九谷焼美術館にある登り窯の建屋を改修し、ガラス張りの見学スペースを設ける。全長10メートルの同窯を使った焼成作業を安全に見学し、地元が誇る伝統工芸の奥深さに触れてもらう。隣接する体験館と連携した企画も行い、絵付けから焼成までの作陶作業を体験できる施設として大勢の人を呼び込む。

 登り窯の建屋は、体験館(旧九谷焼陶芸館)がオープンした1990(平成2)年4月に新設された。高さ3メートル、長さ10メートルの登り窯は4段の構造を持ち、最大1300度の高温で、一度に約千点の作品を焼き上げることができる。近年はコンクリートの外壁の老朽化が進み、年間の利用者は愛陶家団体や地元児童など150人程度にとどまっていた。

 改修では、火入れの作業を安全に見学できるよう奥行き12メートル、高さ5メートルの建屋の片面を耐熱のガラス張りにするほか、グループや家族連れがじっくり見学できるよう窯の脇にある斜面を階段にして見学スペースとし、手すりを設ける。

 23年には「加賀立国1200年」を迎えることから、市は古くから地域に根付く伝統工芸の魅力を市民らに再認識してもらうため、24年春に予定する体験館のリニューアルに先行して登り窯の建屋を改修する。

 例年5月に行われる九谷茶碗まつりや秋の九谷陶芸村まつり(いずれも北國新聞社後援)では、愛陶家団体「やまぼうしの会」による窯炊き作業が予定されており、見学スペースの設置と併せ、市は一般向けの作陶体験会も充実させて、九谷焼美術館全体の集客増を図る。

 市商工課の担当者は「登り窯を使った焼成作業はなかなか見られない。九谷焼の魅力を多くの人に知ってもらう施設として活用したい」と話している。

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