「けんか山」として知られる高岡市の無形民俗文化財「伏木曳山(ひきやま)祭」の最終日が21日、伏木地区で行われた。夜は提灯山車(ちょうちんやま)を激しくぶつけ合う祭りの目玉「かっちゃ」が3年ぶりに繰り広げられ、港町は興奮と熱気に包まれた。
かっちゃは本町広場と法輪寺前で行われた。約360個の提灯をともした山車6基が、「イヤサー」の掛け声とともに登場。向かい合った山車が笛の合図で走り出し、「ドン」と音を立てて激しくぶつかると、沿道から大きな拍手が起こった。
かっちゃを間近で見られる桟敷席は、新型コロナウイルス対策のため1部、2部共に、それぞれ従来の約400席から90席に減らした。どちらも受け付け開始からすぐ定員に達し、抽選倍率は1部が5倍、2部が1・3倍だった。
日中は、2016年に復元した十七軒町を加えた7基の花山車が町内を巡行した。花傘を広げた勇壮な姿に訪れた人が見入った。今年は祭りの終了時間を早めて担い手の負担を軽減するため、花山車の出発を約2時間繰り上げ、提灯山車の奉曳(ほうび)き順路の半分を昼に回った。
出発式が本町広場であり、同祭実行委員会の針山健史会長、名誉会長の橘慶一郎衆院議員、角田悠紀高岡市長があいさつ。岩坂祐司総々代が出発宣言をした。
祭りは江戸時代後期から続く伏木神社の春の祭礼。