8月28日にオープンする食品加工機能付きイベントスペース「KIKUYA」=23日、福井県三方上中郡若狭町熊川

8月28日にオープンする食品加工機能付きイベントスペース「KIKUYA」=23日、福井県三方上中郡若狭町熊川

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「熊川宿」に新スポット「KIKUYA」オープン 若狭町、旅館改修し食のワークショップなど展開

福井新聞(2022年8月26日)

 伝統的な町並みが残る「熊川宿」(福井県三方上中郡若狭町熊川)で空き家活用に取り組むまちづくり会社「クマツグ」が8月28日、食品加工機能付きイベントスペース「KIKUYA(きくや)」をオープンする。同社の古民家再整備事業の1棟目で、町内事業者がテナントに入り地元特産品を使った土産品の開発や食のワークショップを展開。住民の健康増進を図るトレーニングジムも入るといい、観光地だけでなく、暮らす場所としての魅力度も高める。

 国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選ばれている熊川宿では近年、若者の新規出店が増加傾向にあるが、景観を重んじる改修には多額の費用がかかり諦める人が少なくない。そこで、初期投資に当たる空き家改修を担い、賃貸で出店者を受け入れにぎわいを創出しようと昨年11月に同社が設立された。町や宿内のコンサルティング会社「デキタ」などが共同出資した。

 きくやは旅館「きく家」を改修した築40年ほどの鉄骨2階建てで、延べ床面積約200平方メートル。1階に食品を加工する場所や従業員の休憩室、イベントスペースなどを新たに設けた。2階にはテナント用スペースのほか、近くの熊川トレイルを利用する観光客のためのシャワー室を整備。改修費は約3300万円。

 テナントは2社で、1階にはデキタが入る。山内かぶらから取れた種と福井梅の梅酢を合わせたマスタードや、くずの葉を焙煎した茶葉などを製造する。イベントスペースや軒先を活用し、店頭販売や多種多様なワークショップを展開するという。熊川マルシェも開催される28日は午前10時から2時間程度、住民や観光客向けに熊川葛のくずまんじゅうや、福井梅を使った梅シロップを作るワークショップを開く予定だ。

 また、2階は福井国体の公開競技パワーリフティングに出場した30代トレーナーが、9月中にジムを開業予定。老若男女の健康維持に寄与する狙いがある。

 クマツグの代表は、きくやが「観光地」と「暮らしの場」の両面で魅力を高めていくことで「熊川の移住定住の促進にもつながるはず」と期待する。少子高齢化が進む中でも「さまざまな人の交流で活性化し、ますます元気な地域にしたい」と語った。

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