福井県敦賀市に、ＪＲ敦賀駅西地区エリアＴＳＵＲＵＧＡ　ＰＯＬＴ　ＳＱＵＡＲＥ「ｏｔｔａ（オッタ）」が整備され、８月３０日に完成記念式典が行われた。出席者は各施設を見学し２０２４年春の北陸新幹線敦賀開業を前に誕生した「交流とにぎわい拠点」への期待に胸を膨らませた。９月１日に供用開始となる。

　同エリアは、駅西地区土地活用事業として青山財産ネットワークス（本社東京）などで構成する合同会社敦賀駅西ＰＪが、立体駐車場に隣接するＡゾーン（約４３００平方メートル）と、市道を挟んだＢゾーン（約３６００平方メートル）の市有地で進めてきた。

　Ａゾーンには３万冊を超える本をそろえる公設書店「ＴＳＵＲＵＧＡ　ＢＯＯＫＳ＆ＣＯＭＭＯＮＳ　ちえなみき」が整備された。文化や歴史、生命など「文脈」で並べられ「本との出会い」を楽しめる。一般書店や図書館にも並ばない一風変わった書籍や古書なども備えた全国的にも珍しい施設とあって、記念式典出席者の多くがじっくりと見学していた。

　飲食棟では海鮮丼やフィッシュバーガーの店がプレオープンし、地元の魚をふんだんに使った料理が振る舞われた。

　Ｂゾーンでは２３日に先行オープンした嶺南初出店となるスターバックスコーヒー「敦賀駅前店」が盛況。９階建ての「ホテルグランビナリオＴＳＵＲＵＧＡ」では一回り広めの室内空間を確保したシングルルームなど"ワンランク上のビジネスホテル"をスタッフが熱心に紹介した。

　市プラザ萬象で行われた記念式典には約２００人が出席。青山財産ネットワークスの社長は「ｏｔｔａは笑顔と温かい気持ち、潤い、優しさを感じてリラックスできる場となることは間違いない。ｏｔｔａを盛り上げ、多くの方に喜び、幸せを与えたい」とあいさつ。渕上隆信市長は「ｏｔｔａが末永く愛され、駅前に行けば『誰かがおった（いた）』というような、コロナで希薄となった人と人とのつながりが強固になって輪が広がれば。新しいにぎわい、交流に期待している」と述べた。