竹の枝や葉を余すことなく使った大作を仕上げる出品者=金沢21世紀美術館

竹の枝や葉を余すことなく使った大作を仕上げる出品者=金沢21世紀美術館

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節目彩る創作の美 第60回記念北國いけばな研究会 3年ぶり1日金沢21美で開幕

北國新聞(2022年9月1日)

 ●生け込み 地元工芸作家と共演

 北國いけばな研究会は流派を超えて生け花を研究する団体として1964(昭和39)年に設立された。60回記念の今回は2019年の前回に引き続き「連」から発想を広げ、出品者それぞれが約8メートル四方の広々とした空間を存分に使って生けた。全員が作品に赤い球を忍ばせ、探す楽しみも加えた。

 竹の枝と葉を余すことなく用いて球体にしっぽが連なるような造形を描いた出品者は、SDGs(持続可能な開発目標)を意識し、創作したという。脚立に乗って高さ4メートルの天井から400本以上の試験管を1本1本つり下げ、白いワイルドフェンネルをかれんにあしらった出品者もおり、それぞれが挑戦心を持ってアイデアを形にした。

 会場中央では、市工芸協会の協力で、中川衛会長(彫金人間国宝)や十一代大樋長左衛門理事長ら地元工芸作家の秀作から出品者がイメージを膨らませ、生け花を仕上げた。

 会場では、いけばな研究会相談役で一般財団法人県美術文化協会理事長の大場吉美氏が助言し「研究成果が発揮され、個性と存在感があった」と話した。

 4日まで。入場料は500円。出品者(アシスタント)、工芸作家は次の皆さん。

 ◇出品者▽上田嶺和・草月流(山口嶺菖、湯浅嶺萌、松井和華)▽蓑口翠尚・池坊(池田桂子、宮倉見穂、南恵子)▽神島典子・池坊(山本奈生、泉元美紀、神島朋生)▽村上仙香・草月流(池田輝佳、広田翠波、安野真爽)▽向瀬幸昌・草月流(山口典幸、岡田昭波、北山久幸)▽神野泉昌・草月流(佐野綾志、成木綾希、松田綾智)▽西加津代・池坊(肥田千春、笠師郁子、宮田朝代)▽西山秋喜・草月流(奥谷彩喜、久次美希子、吉田千恵子)

 ◇工芸作家 中川衛(金工)=上田、十一代大樋長左衛門(陶芸)=蓑口、上端伸也(陶芸)=西、毎田仁嗣(染色)=神島、村上浩堂(金工)=西山、福嶋則夫(木竹工)=村上、村本真吾(漆芸)=神野、角間泰憲(木竹工)=向瀬

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