長野市のながの観光コンベンションビューローは14日、ガイドの説明を受けながら善光寺門前を歩いたり、同寺の宿坊で「絵解き」を体験したりできるツアーを始めた。地域の魅力的な人に会う機会をつくり、再度長野を訪れるきっかけに―と企画し、16日まで。初日は市内外から20人ほどが参加し、「これまで知らなかった長野市の魅力に触れられた」と満足そうだった。
参加者は市ガイド協会のガイドから地名の由来などを聞き、宿坊「淵之坊(ふちのぼう)」では絵解きを体験。宿坊には善光寺創建の歴史を伝える「善光寺縁起」を記した絵巻が複数あり、若麻績享則(わかおみたかのり)住職が江戸時代に作られた絵巻を基に解説した。
若麻績住職は、インドから朝鮮半島の百済(くだら)、日本へと渡ってきた本尊・善光寺如来を中心に描かれる物語を、堂に入った口調で披露。参加者はうなずき、前のめりになって聞いた。絵解きの後は精進料理を味わった。
同寺近くに住む斎藤栄子さん(76)は「ガイドから(市中心部の)鶴賀や新田町の由来を初めて教わった。もっと話を聞いてみたかった」。白馬村の渡部修さん(67)も「善光寺について、基本的な歴史から話を聞けることは少ない。またこういう機会があれば参加したい」と話した。