輪島市無形民俗文化財の神事「恵比須(えびす)講祭り」は10日、漁師町の同市輪島崎町で営まれた。時折、雪がちらつく中、裃(かみしも)姿の氏子8人が高さ約60センチの木彫りの恵比須像を抱えて町内を回り、今年1年の豊漁や海上安全を願った。
8人は輪島前(さき)神社でおはらいを受けた後、太鼓を打ち鳴らしながら、約120軒を回った。住民は玄関先で一行を迎え、恵比須像に手を合わせた。
漁師の梅本裕之さん(59)は大漁と操業の無事を祈り「燃料の高騰はお手上げ状態。神頼みするしかない」と話した。
恵比須講祭りは藩政期から伝わる神事で、年に2回営まれる。今回は神様が漁に出る「おでまし恵比須」と呼ばれ、11月20日は海から戻る「おかえり恵比須」が行われる。