富山県高岡市立野高池町の版画家で市美術作家連盟参与の渡辺敏彦さん(69)は、自宅工房にギャラリーを開設し、自身の作品展を週末に開いている。展示替えをしながら続けており「常に見てもらいたい思いがある」と意欲を見せる。
渡辺さんは若い頃、油絵を学んだ。30歳の時にスクリーン印刷の仕事を始め、身に付けた製版技術を生かして40代後半からシルクスクリーンの版画作品を作るようになった。数年前から彫刻にも取り組んでいる。
作品の持ち運びは体力的に負担がかかることから、自宅工房に常時展示して見に来てもらおうと、2年前に「紺屋ギャラリー」として一般の人への開放を始めた。2部屋と廊下を使って半年ごとに作品を入れ替え、現在は版画と彫刻合わせて35点を展示している。
建物をモチーフに和紙を使ってレトロな雰囲気に仕上げたシルクスクリーン版画や、人間社会のほころびを卵の形で表した彫刻作品などが並ぶ。作家仲間や近くの住民が鑑賞に訪れる。
渡辺さんは「見た人の生き方を変えてしまうような深い作品を作りたい」と制作への意欲を語る。最近はアクリル画も描いており、次の展示替えで披露する予定。「大作を飾れるように展示スペースを増やし、もっと充実したギャラリーにしたい」と話した。
問い合わせは紺屋ギャラリー、電話0766(31)1051。