越前打刃物をPRする地域団体商標カード=福井県越前市池ノ上町の刃物の里

越前打刃物をPRする地域団体商標カード=福井県越前市池ノ上町の刃物の里

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越前打刃物カードでPR 福井県越前市の産地協同組合連合会、無料で配布

福井新聞(2023年1月25日)

 福井県越前市の越前打刃物産地協同組合連合会は、特許庁の地域団体商標に登録している越前打刃物をPRする「地域団体商標カード」の配布を始めた。南北朝時代に刀匠の千代鶴国安が製法を広めた越前打刃物の起源を紹介している。刃物の里(同市池ノ上町)と同連合会に加盟する工房や問屋の46カ所で、希望者に無料配布している。

 地域団体商標の制度は、各地の産品などについて地域ブランドの保護を図り、地域経済活性化につなげるのが狙いで、特許庁が2006年に導入。同連合会が07年に商標登録した越前打刃物のカード発行を決め、外郭団体の独立行政法人「工業所有権情報・研修館」から1700枚が届いた。

 カードは、1337年に京都から移り住んだ千代鶴が、刀剣作りの傍らで農民のために鎌の製法を伝授したという越前打刃物の起こりを解説。千代鶴が平和を願って刀を作るごとに彫って池に沈めたとされる狛犬(こまいぬ)と、池から見つかった刀剣の写真を掲載した。

 1月21日に配布を開始。各地から問い合わせがあり、初日に早速、京都府から刃物の里を訪れた希望者もいたという。同連合会の三好栄事務局長は「切れ味の良さで世界に認められている越前打刃物の原点として、歴史の背景にある物語を知ってもらいたい」と話している。

 19年に発行が始まったカードは現在、全国で127種類。県内では越前漆器や越前焼、若狭かれい、芦原温泉など13種類が発行されている。

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