松村の彫刻作品を鑑賞する来館者

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34年の軌跡たどる 庄川美術館、最後の企画展開幕 松村の彫刻中心に50点

北日本新聞(2023年2月19日)

 庄川美術館(砺波市庄川町金屋)の最後の企画展「さよなら庄川美術館展」が2月18日、同館で始まった。開館のきっかけとなった旧庄川町出身の彫刻家、松村外次郎(1901~1990年)の彫刻や地元ゆかりの作家の所蔵作品計50点を並べ、地元に愛された34年の軌跡をたどる。3月21日まで。

 庄川美術館は1989年に開館。老朽化を理由に2023年度末で閉館し、24年度以降に解体される。砺波市美術館などへの機能移転に伴い、今回が最後の企画展となった。

 松村は、戦後の美術界の復興期に美術団体「二紀会」彫刻部創設に関わり、彫刻界の第一人者として88歳で亡くなるまで制作を続けた。親子や平和をテーマにした作品が多く、1949年には代表作の一つである富山駅前の「平和群像」を共同で手がけた。

 企画展は常設展示を含め、館内全てを会場とした。傑作が並ぶ松村外次郎記念室では、男女が愛し合う姿を木彫で表した「半円柱の結縁(けちえん)」が目を引く。作品の構想を練るために旅した時の写真や制作中の様子が分かる写真も並び、松村の作家人生を伝えている。

 親交の深かった洋画家、熊谷守一(1880~1977年)の「桜」や松村自筆のはがきなども展示している。北日本新聞社など主催。

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